規制の事前評価が義務づけの方向
規制の事前評価義務付けへ/総務省、政策評価見直し(四国新聞,2004年12月21日)。 以前のエントリ(規制評価の評価方法)にて、規制評価は担当政策部局の自己評価だけ、と書いたがそれが少しは改善されるだろうか。
また総務省からは行政手続法検討会報告が総務大臣に提出されており、行政立法手続の法制化(意見提出手続きの法制化)の方向となっているようだ。
規制の事前評価義務付けへ/総務省、政策評価見直し(四国新聞,2004年12月21日)。 以前のエントリ(規制評価の評価方法)にて、規制評価は担当政策部局の自己評価だけ、と書いたがそれが少しは改善されるだろうか。
また総務省からは行政手続法検討会報告が総務大臣に提出されており、行政立法手続の法制化(意見提出手続きの法制化)の方向となっているようだ。
著作権等管理事業法施行規則の一部改正に対するパブリックコメント(意見提出手続)の結果についてが公表された。 どうやら提出意見は私の1件だけだったらしい。 そのためか、意見詳細に対して、個別に文化庁の考え方が示されている。 しかし残念ながら、これを見る限り「省令改正」する必要性はなく、 むしろ「大学等技術移転促進法」に関する政令を改正するべきのように思われる。 これについても、パブリックコメントの募集において説明が十分に行われていれば分かったことだが、 今回のパブリックコメントの募集においても不十分な説明しか行われていないのは誠に遺憾である。
示された文化庁の考え方に対して、さらに私の考えを示したいと思う。
著作権等管理事業法施行規則の一部改正に対するパブリックコメントに対して、 下記のような意見を提出した。
意見要旨:「1.第二条関係」の改正に反対する 意見詳細: 1.規制の必要性がない 規制評価票の(5)規制の必要性において「今後様々な形 態の技術移転機関が現れることが予想される」とあるが、 (7)規制の費用分析において、「(技術移転機関がプログ ラムの著作物等の管理を行う場合は一般的には非規制 の非一任型により行われること)」「現在著作権等管理 事業を行っている機関はない」「現在著作権等の技術移 転事業の実績がなく」等、当該管理業務が現に可能で あるにも関わらず存在しない状況において、予想されて いるような技術移転機関が現れる蓋然性がない。 2.二重規制である 承認TLOは、大学等における技術に関する研究成果の 民間事業者への移転の促進に関する法律(大学等技 術移転促進法)に基づいて、その実施計画について文 部科学大臣及び経済産業大臣の承認を受けており、文 部科学大臣は認定事業者に対してその実施内容につ いて報告を求めることができ罰則も定められている。そ の上にさらに文化庁長官の監督を受けるのは二重規制 であり適当でない。 3.規制の費用分析の遵守コストに立入検査のコストが 含まれていない 契約・流通小委員会(第3回)議事録 (http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/014/04111201.htm) によると、文化庁は平成16年度より、著作権等管理事 業法第十九条に基づき管理事業者に対して定期的に 立入検査を実施するとしているが、規制評価票の遵守 コストに当該立入検査のコストが含まれておらず、費用 分析が十分でない。 4.「プログラム等の著作権等」では対象が不明瞭 概要において「プログラム等の著作権等を管理させる 契約を締結する委託者」との表現があるが、著作権法 では「プログラムの著作物」は定義されているが、「プ ログラム等の著作権」なる用語は存在しない。「プログ ラム等」の「等」に何が含まれるか、「著作権等」の「等」 に何が含まれるか不明であり、管理対象となる著作権 が不明なままでは適切に意見を述べることができず不 適当である。 5.「プログラム等の著作権等」とする理由が不明 前項のように対象となる著作権が不明であるが、仮に プログラムの著作物の著作権であるとして、なぜそのよ うな著作権を対象として著作権等管理事業法する必要 があるのか不明である。既管理事業者において、プロ グラムの著作物を管理対象とする事業者は多くなく、当 該管理事業に対する社会的要請は高くないと思われる。 にも関わらず、本改正案において「プログラムの著作物」 を管理対象とする理由は一切説明されておらず、改正 案が妥当とは思われない。 6.利用代表の選出困難性 大学における学術研究の特性を考慮すると、利用者 区分を事前に決定することは極めて困難であり、当該 利用者区分の代表者を選出することも困難と予想され る。その結果、(6)規制の便益分析のイ)著作物等の 利用の円滑化における「使用料について利用者等の 意見が反映されやすくなる」とする効果は疑問である。 7.利用許諾拒否の制限による技術移転事業の阻害 技術移転事業者が持つ特許等の独占的許諾権が 技術移転先企業にとってのインセンティブになるので あって、プログラムの著作物が管理事業の対象とな ることによって、誰でも当該プログラムの著作物の著 作権を利用することができるのであれば、その技術 を競争に用いることができなくなるため、企業にとっ てのインセンティブを損ない、技術移転事業を阻害す る。 8.特許との不整合 仮にプログラムの著作物が管理事業の対象となっ たとしても、プログラムの著作物にプログラム特許が 含まれている場合には、著作権等管理事業法の利 用許諾拒否の制限にも関わらず、当該プログラム の著作物の使用が制限され、「代替性の低い場合 が多い著作物等についての利用者の利益保護が図 られる」という便益は得られない。 9.大学等におけるオープンソフトウェアの公表が阻 害される 管理委託契約を交わした研究者が、それとは別に GPL等のプログラム著作物を発表することが抑制さ れる恐れがあり、オープンソース活動に支障を来す 恐れがある。近年、職務発明との絡みで、研究室に 配属された学生に対して事前に一括で大学と特許 権に関する契約を求めるべきではないかといった話 もあるが、これが著作権にまで拡張されると、学生 が研究で開発したソフトウェアをオープンソースもし くはフリーソフトウェアとして発表することも困難とな る恐れがある。そこまでは杞憂にしても、(6)規制の 便益分析にあるように「本来利用許諾を積極的に 行うことによりなるべく多くの使用料を徴収してもら うことを期待して委託している委託者の利益が保 護される」ことにより、大学等におけるプログラム 著作物等を使用するためのコストが上昇する可能 性は高い。
著作権等管理事業法施行規則の一部改正に対するパブリックコメント(意見提出手続)の実施は、 本日締め切りだが、 規制評価の評価方法について誤解をしていた。 文部科学省大臣官房政策課評価室に電話して聞いたところ、 法令等の制定と、政策評価は独立しており、 規制評価票の内容は、担当政策部局の自己評価に過ぎない、 ということだった。 省令を定める際にはパブリックコメントを実施しなければならないことにはなっているが、 それ以外の制約はないようだ。 つまり、抑止力としての効果はないのだった。
なお規制評価票において、法令等の制定時期は「平成16年12月末頃」となっており、 パブリックコメントの内容に関わらずこのような省令を定める積もりは高いと思われる。 なお、知り合いのTLOに聞いてみたところ、このようなパブリックコメントを行っているとは知らなかったようだ。 対象となるTLOにはなんらかの照会なりがあるかと思ったが、 そういう話でもないようで、一体どこで政策が決まっているのか不思議としか言いようがない。
本日、文化庁より著作権等管理事業法施行規則の一部改正に対するパブリックコメント(意見提出手続)の実施についてが示されたが、そもそも承認TLO等は文部科学大臣および経済産業大臣の認可を受けた事業者であって、 さらに著作権等管理事業法の届け出を義務づける理由が理解出来ない。 規制評価票(暫定版)の(5)規制の必要性において、 「一任型により行われるプログラム著作物等に係る(4)の著作権等の管理業務を著作権等管理事業に該当することとし」 とあるが、 (7)規制の費用分析において、「 (技術移転機関がプログラムの著作物等の管理を行う場合は一般的には非規制の非一任型により行われること)」 「現在著作権等管理事業を行っている機関はない」「現在著作権等の技術移転事業の実績がなく」等、 当該管理業務が存在しない中で、新たに規制をしなければならないほどの社会的不利益は見あたらない。
また「技術移転」ということを考えた場合、基本的には受託者が独占を受けることが「技術移転」のインセンティブになるのであって、一任型の場合、利用許諾は原則として拒否できないのだから、 「移転機関」が単なる「管理機関」になってしまい、民間への移転という技術移転促進法の目的に反する。
さらに、管理委託契約を交わした研究者が、それとは別にGPL等のプログラム著作物を発表することが抑制される恐れがあり、オープンソース活動に支障を来す恐れがある。近年、職務発明との絡みで、研究室に配属された学生に対して事前に一括で大学と特許権に関する契約を求めるべきではないかといった話もあるが、これが著作権にまで拡張されると、学生が研究で開発したソフトウェアをオープンソースもしくはフリーソフトウェアとして発表することも困難となる恐れがある。そこまでは杞憂にしても、(6)規制の便益分析にあるように 「本来利用許諾を積極的に行うことによりなるべく多くの使用料を徴収してもらうことを期待して委託している委託者の利益が保護される」ことにより、大学等におけるプログラム著作物等を使用するためのコストが上昇する可能性は高い。
さらに、「イ)著作物等の利用の円滑化」として、「管理事業者に対し、使用料規程を制定又は変更しようとする際の利用者又は利用者団体からの意見聴取の努力義務が課されるため、使用料について利用者等の意見が反映されやすくなる。」とあるが、 著作権等管理事業法の施行状況等に関する意見の整理(平成16年10月14日)にあるように、 利用者代表を決めること自体難しい場合があり、 特に大学のプログラム著作物等の利用区分が適切に行えるかどうか疑問が大きい。 特に国際的な利用が見込まれるような物の場合、海外からも意見を聴取しなければならないのか、 など不明な点もある。 著作権等管理事業法の施行状況等について議論を行っているのは、契約・流通小委員会であるが、 そもそも意見募集において規制対象に承認TLO等を含めよという意見は見られないし、 小委員会でそのような議論を行った形跡もない。 次回の委員会は12月13日が予定されているようだが、 それをまたがる2週間にパブリックコメントの期間が設定されているのも不思議である。
平成16年度文部科学省政策評価実施計画[pdf]によると、 「(4)規制に関する評価(試行的実施) 法令に基づく規制の新設又は改廃のうち、社会的影響の大きいものを対象とする。」 となっており、省令も法令に含まれるはず。そうなると、
・政策所管部局は、評価票(別添様式5)を作成
・大臣官房政策課評価室は、政策所管部局が作成した評価票をとりまとめ、有識者会議委員からの助言を得て、規制評価書案を作成
・政策評価会議にて規制評価書を決定し、公表、総務大臣へ送付
とあるので、パブリックコメントの後に、大臣官房政策課評価室に送られることになるのだろう。 スケジュールでは規制評価書の作成が来年3月下旬と思われる。 また、 第9回政策評価に関する有識者会議議事録には、 「規制評価はいずれにしても事前評価であり、いつその評価書を作成するかというと、規制の法令案を作成するときと思っている。」「その下になればまたそれぞれ役所の外に提出する時期があり、その時期にはきちっとこういうものを取りまとめていきたいというものである。」とあり、施行規則という省令でも、 評価書を取りまとめることには変わりないようである。 一方、同じ議事録の中で 「規制のみならずいろんな政策は、今、仕組みとして、役人だけがやるような仕組みにはなっていない。かなり多くの審議会等があり、評価という言葉ではないが、事前に議論する場が幾つもある。」 という話もあるが、今回の話は極めて唐突という印象があり、 契約・流通小委員会でも議論されていないのに、一体どこから出てきた話か、と思わざるをえない。
12月3日の日経新聞にデジタル録画機は経営に破壊的影響・メディアのトップアンケートという記事が掲載されていた。 そこで検索したところ、 Media & Entertainment Executives See Need for New Breed of Technology-Savvy Managers, Says Ernst & Young Studyが見つかった。 これが記事の元ネタであろうが、タイトルを見てお分かりのとおり「メディア・エンターテインメント企業は技術に精通した管理職を新たに育成する必要があると見ている」という話である。 ちなみに「global」を「世界の」と訳しているようだが、 インタビューされているのはアメリカの企業人であり、アメリカ企業のグローバル戦略に関する調査書というべきである(The Future Is Fast Approaching: Are You Ready?)。また調査書のOverviewには「There is no solution to DVRs skkipping over advertising.」 とあり、むしろこのような急速な技術の進展に対して、それを新たなマーケットが広がるチャンスとして立ち向かっていく企業の姿を示している。 それに対して、日経の記事ではあたかも「デジタル録画機」が脅威であり、 広告料収入を減らすものであるとだけ述べることで、原文とは全く異なる印象を抱かせている。 原文を引用すると「75 percent of executives participating in the study cited digital video recorders (DVRs)—more than any other new technology—as an innovation likely to disrupt the industry’s status quo.」 であるが、「企業の現状を打ち壊すような革新としてのDVRs」と訳せば、 日経の記事の否定的なニュアンスとは全く異なることが分かるだろう。 企業にとって現状維持は悪であるはずだ。 調査書では、「このようなDVRsがTV視聴をbroadcast eventではなく、tailored eventにする」といったことや 「もっとも重要な防御方法は良い攻撃である。もし高品質で適法なコンテンツを簡単な方法で入手できるようにすれば、我々は海賊版の需要を大きく減らすことができるだろう」といった言葉を引用している。
日経の記事だけを鵜呑みにして、技術に背を向けることを考えたとしたら、 アメリカ企業のグローバル戦略に飲み込まれる事態にもなりかねず、大きく国益を損ねる結果となる。 このようなミスリードにうかうかと乗る企業はないと信じたいが。
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