11月2日に文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第3回)を傍聴してきた。
なお、文化庁長官官房著作権課の出した結論にあるように、
26日に登録のメールを送ったが、特に連絡はなかった。
そして11月1日に問い合わせのメールを送ったが、上記の人とは異なり、
この問い合わせのメールにも返答はなく、連絡に書いた携帯電話の番号にも連絡はなかった。
しかしながら当日行ってみると、名簿に名前はあり問題なく傍聴できた。
傍聴席の確定をどのように行っているのか分からないが、
その対応は遺憾と言わざるをえない。
[2004-Nov-9追記:電話で連絡があり、こちらからのメールは受け取っていたが、
返事のメールがこちらに届いていなかった、という話だった]
なお、傍聴の前に文部科学省の情報公開窓口に行って、行政文書開示請求を行ってきた。
請求文書は「文化庁がサウンドスキャンに委託したレコード等の流通実態に関する調査報告書」
である。正式名称は不明なので文書の内容で請求している。
なお、窓口では「担当は著作権課だが、会議のため不在」ということで、
請求の受理ではなく、預かるという形で、担当課に確認したら電話をする、
ということだったが、これまた遺憾ながら、現時点まで電話はない。
なお、受理したら30日以内に開示か不開示かの決定をしなければならないことになっている。
[2004-Nov-9追記:上記追記と同時にこちらの情報公開についても検討中という連絡があった]
基本的には傍聴の内容は、
これじゃ何のために集まってるのか分からないにある通り。
「著作権の利用者とも積極的に議論すべきでは」――著作権法への提言(ITmedia・LifeStyle)、
にもあるが、各出席委員が自身の考えに基づく要望を述べるだけで終わった。
ちなみに各委員から意見が提出されているのは、文化庁がそのように求めたからであるが、
まず第一に審議委員が「『著作権法に係る検討事項(仮題)』の整理に向けた意見について」
において、委員からの改正要望として意見を述べるのはいかがなものか、
というのがまず率直な感想である。
審議会は委員の要望を実現する場ではないはずである。
しかしながら、出されている改正要望に対して専門的な立場から必要性・重要性を評価する、
というスタンスは必ずしも明確でなく、
委員自身が必要あるいは重要と思う事項をピックアップする形になっているものが見受けられた。
これはやはり文化庁が委員に意見を求めるときの聞き方が悪かったとしか思えない。
森田委員のところに記載要領があったので引用する。
(記載要領)
基本的には適宜御記載いただければ結構ですが、
(1)総論のみならず、どの事項を、どのような理由で、どういう方向性で検討すべきかについても、できる限り触れていただけると幸いです。
(2)「関係団体からの著作権法改正要望」などに関連する記載があることがお分かりの場合には、参考として付記いただけると幸いです。
(例:「1.著作物の定義(1)関連」)
従来、審議会には著作権の利益代表者が多く集められ、それらの利益代表者が求める要望を取り上げてきた名残だと思われる。今回は委員に学術関係者が増えたわけだが、
文化庁の聞き方が変わらなければ、「著作権者の要望を満たす」方向に行きやすいのは当然であろう。もちろん、今回の場合は「バランス」という言葉もよく出てきて、
著作権の制限の方向でも話があったのは委員構成が変わったおかげと考える。
ちなみに委員の間から多く出された事項の中の1つに「行政手続きに関する制限」があるが、
これは、特許法や薬事法において決定や処分等の行政手続きで示される参考文献について、
行政庁が複製や引用等を行わないため、行政手続きを見た者が、それを調べるのに時間がかかるため不利益が発生しているので、そのような場合の複製等を行えるようにしようというものである。
しかしながら、本来このようなことは「公正利用の原則」が明確であれば、
個別の権利制限ではなく公共の利益として考えることができるはずのものである。
委員の意見の中には「公正利用と認められる場合の一般的権利制限規定」や「フェアユース規定」
を求めるものもあり、「行政手続きに関する制限」もその枠の中で考えることができる。
そういった意味で、各方面の専門家の委員には検討事項をきちんと整理していただきたいと考える。
もちろん多忙な委員の方々であり、一方で審議日程はかなり詰まっており、
十分な検討をする時間的余裕が与えられていないのも問題である。
今回の各委員の意見に対する他の委員からの意見・コメントも、
一週間程度でメモという形で事務局に送って欲しい、
と事務局が言っており、よほど委員自体になんらかのモチベーションがないと、
自由討議の代わりになるとは到底思えない。
また、今後の検討の方向性の素案についても、
中山主査と事務局が相談して事務局が作成することになっており、
素案ができるまでの過程が不透明になっていると言わざるをえない。
なお、素案といっても、ここで提案されたのは「何を検討事項とするかについての案」
ではないことに注意されたい。
議論の段取りとして、緊急性の高い事項を取り上げるのか、中長期的な議題として扱うのか、
という方向性の案、であって、
具体的個別の事項についての案を作成するという話ではなかった。
もし、次回の委員会において文化庁が個別事項の案を出してきたなら、
それは委員の意見を都合良いように解釈したということになる。
もちろんそのようなことはないと信じたい。
そして、この素案も事前に委員に送付されるというのは、上記の傍聴レポートにもある通りである。
是非とも次回は実のある議論をしていただきたいと思う。
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